現在、不動産売買というとやはり「居住用不動産売買」を中心に取引が行われています。この取引の内容はもちろん明確になっており、安全な取引が推進されています。なお、土地・土地建物・区分所有それぞれの取引内容に沿った売買契約書、重要事項説明書を用いて契約が行われています。
一方「投資用不動産」、いわゆる収益物件の取引をみると、多くは土地建物の不動産売買契約書を用いて取引が行われています。同様の契約書を使用しているにも関わらず、投資用不動産取引は居住用不動産取引と内容が大きく異なります。例えば、賃貸マンションやアパートは所有者でない第三者が建物を利用しており、権利関係は複雑かつ特殊性を持ち合わせています。さらに、売買にあたっての所有者からのヒアリングや物件の引渡し、引渡し後、引き継ぐべき事項等々、居住用不動産売買の知識では適正な取引ができません。また、投資用不動産取引には専門的な高度な知識が必要不可欠です。
このような現状を踏まえると、不動産業界において投資用不動産の安全な取引を継続的に推進していくためには、高度な知識を有した専門家の育成や投資用不動産取引のコンプライアンスの定着を図るなど、誰もが安心して不動産に投資できる環境を整えることが急務であると考えられます。
10年以上前に、全国の不動産会社の有志が集まり、投資用不動産の売買仲介を特殊なものではなく、一般の居住用売買仲介と同じように扱えるように仕組み作りの活動をしていまいりました。この活動を通じ、投資用不動産の仲介、買取運用・転売において、未熟な市場・取引に気づき、同じ思いを共有する仲間と共に立ち上げたのが、「一般社団法人投資不動産流通協会」です。
(一社)投資不動産流通協会は、日本で初めて、投資用不動産の適正な取引の推進と、取引の標準化を確立し、投資用不動産取引には無くてはならない協会を目指す団体です。
当協会は投資用不動産の売買、仲介、運用において専門的な知識の普及をもって取引業務整備、標準化の確立と流通
を促進し、投資用不動産市場の健全な発展とともに公共の利益の増進に寄与することを目的とします。
① 投資用不動産の安全で適正な取引の円滑化を図り全国統一の標準を確立
② 投資用不動産の共同仲介の円滑化を図るべく全国統一の標準を確立
③ 投資用不動産取引に携わる高度な知識を有する専門家の育成
④ 投資用不動産取引による会員の発展と地域の活性化及び地域貢献
会員倫理
1.一般原則
本協会会員は、事業用不動産の仲介及びコンサルタントのプロとしての自覚を持ち、最高水準の知
識の習得に励み、専門家としてふさわしい言動を遵守する義務と責任を持つ。
2.会員相互の関係
本協会会員は、相互に親睦を深め、協力し合うよう心がけ、悪意のあるなしに関わらず、他の会員
の評判を傷つけるようなことをしてはならない。
3.社会に対する義務
本協会会員は、不動産の所有から利用に着目し、投資用不動産の売買、仲介という未整備な市場
の活性化に努め、社会に貢献する為の活動をしなければならない。
※(一社)投資不動産流通協会の会員倫理及び会員規約は
⇒こちらからご確認ください『(一社)投資不動産流通協会 会員規約』
投資不動産流通協会加盟企業は、必ず一人以上の取引士を置かなくてはならず、専任の取引士が退職した場合、次の取引士資格試験を受験、合格し、取引士の資格を保有する人間を置かなくてはなりません。
取引士を置けない場合、加盟資格としての欠格要因に当たり、会員資格を喪失することとなります。
※会員規約第6条-(5)より
また、投資不動産取引士は投資不動産流通協会が個人に与えている認定資格の為、投資不動産取引士に合格をした者が、投資不動産流通協会に加盟している企業を退職した場合であっても、取引士の資格を喪失する事はありません。