今回のテーマは、不動産売買契約における賃貸人の地位承継です。協会は、売買契約における賃貸人の地位承継に関して、書類『不動産売買契約における賃貸人の地位承継に係る覚書(以下『地位承継の覚書』といいます)』を用意しています。(※書類は、協会HP「会員専用ページ」からダウンロードできます。)この書類は売主から買主が賃貸人としての地位の確定だけでなく、当然、「賃貸借契約」を引継ぐということも意味します。そして売買契約書と連動して賃借人の「賃貸契約」を引継ぐにあたり、売買契約書では賄いきれない事項を補完する意義も持ち合わせている書類です。『地位承継の覚書』を作成する目的・役割は3つあります。①売主から買主に賃貸人としての地位が承継した事を確定させる。②売買契約以外で取決めをしておくべき事項の取決めをする。③賃借人や保証人または第三者に証明できる根拠となる。この『地位承継の覚書』による取決めで、ポイントとなる項目について説明をします。<ポイント1>『地位承継の覚書』条文の抜粋 -----第1条(地位の承継)2.賃貸人の地位の承継により、乙は甲が別紙「賃貸借契約一覧」の各賃借人(以下「各賃借人」といいます)と締結した賃貸借契約を全て承継します。(※売主:甲、買主:乙)----------------------------------買主は、売主が契約した賃貸借契約の全てを引継ぐことを確定させています。賃貸人の地位を承継するので賃貸借契約の全てを引継ぐことは、当然であり、当たり前のことですが、後で貸主にとって不利益につながる契約内容の発見によりトラブルが起きないとも限りません。そのため、トラブルが発生した場合に、このトラブルを少しでも軽減する役割を持った取決めをしています。投資不動産売買では『売買契約書』だけでは賄いきれない賃貸契約に付随する内容があります。無理に売買契約書の特約や容認事項で記載するのではなく【地位承継の覚書】も活用しましょう。また取引に応じて、【地位承継の覚書】では整合性が取れない場合や、項目が不足している場合は【地位承継の覚書】を参考に内容を変更して活用してください。次回も引き続き、『不動産売買契約における賃貸人の地位承継』作成の意義についてお伝えしていきます。
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今回のテーマは、不動産売買契約における賃貸人の地位承継です。
協会は、売買契約における賃貸人の地位承継に関して、書類『不動産売買契約における賃貸人の地位承継に係る覚書(以下『地位承継の覚書』といいます)』を用意しています。
(※書類は、協会HP「会員専用ページ」からダウンロードできます。)
この書類は売主から買主が賃貸人としての地位の確定だけでなく、当然、「賃貸借契約」を引継ぐということも意味します。そして売買契約書と連動して賃借人の「賃貸契約」を引継ぐにあたり、売買契約書では賄いきれない事項を補完する意義も持ち合わせている書類です。
『地位承継の覚書』を作成する目的・役割は3つあります。
①売主から買主に賃貸人としての地位が承継した事を確定させる。
②売買契約以外で取決めをしておくべき事項の取決めをする。
③賃借人や保証人または第三者に証明できる根拠となる。
この『地位承継の覚書』による取決めで、ポイントとなる項目について説明をします。
<ポイント1>
『地位承継の覚書』条文の抜粋 -----
第1条(地位の承継)
2.賃貸人の地位の承継により、乙は甲が別紙「賃貸借契約一覧」の各賃借人(以下「各賃借人」といいます)と締結した賃貸借契約を全て承継します。
(※売主:甲、買主:乙)
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買主は、売主が契約した賃貸借契約の全てを引継ぐことを確定させています。賃貸人の地位を承継するので賃貸借契約の全てを引継ぐことは、当然であり、当たり前のことですが、後で貸主にとって不利益につながる契約内容の発見によりトラブルが起きないとも限りません。そのため、トラブルが発生した場合に、このトラブルを少しでも軽減する役割を持った取決めをしています。
投資不動産売買では『売買契約書』だけでは賄いきれない賃貸契約に付随する内容があります。無理に売買契約書の特約や容認事項で記載するのではなく【地位承継の覚書】も活用しましょう。
また取引に応じて、【地位承継の覚書】では整合性が取れない場合や、項目が不足している場合は【地位承継の覚書】を参考に内容を変更して活用してください。
次回も引き続き、『不動産売買契約における賃貸人の地位承継』作成の意義についてお伝えしていきます。