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2022年11月22日

『売買契約における賃貸人の地位承継に係るお知らせ』の役割


今回のテーマは、不動産売買契約における賃貸人の地位承継のお知らせです。

協会は、不動産売買契約における賃貸人の地位承継の通知に関して、書類『不動産売買契約における賃貸人の地位承継に係るお知らせ(以下『地位承継のお知らせ』といいます)』を用意しています。
(※書類は、協会HP「会員専用ページ」からダウンロードできます。)


投資用不動産の売買実務は下記の四つの大まかな流れから成り立ちます。
①売買契約の締結前
 ↓
②売買契約の締結時
 ↓
③物件の引渡し時(所有権移転登記時)
 ↓
④物件の引渡し後(所有権移転登記後)

投資不動産売買の実務が一般の居住用の実務と大きく違う点は「④物件の引渡し後」があることです。
「④物件の引渡し後」にて行うことは、第三者(賃借人)へ所有者が変更したことの通知です。


『(一社)投資不動産流通協会 売買契約書』条文の抜粋 -----

第3条 買主は、本契約に基づく別紙「賃貸一覧」記載の各賃貸借契約上の賃貸人たる地位を承継します。

2 買主が売主に標記の売買代金全額を支払ったとき、売主は、別紙「賃貸一覧」の各賃借人に対し、ただちに買主が賃貸人となったこと、及び本物件の所有権移転登記の日が属する月の翌月以降の賃料は、買主に支払うべき事を書面にて通知します。

3 本条1項の別紙「賃貸一覧」記載の各賃貸借契約上の賃貸人の地位の承継の詳細は、別紙「不動産売買における賃貸人の地位承継に係る覚書」のとおりとします。
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ここで活躍する書類が投資不動産専用書類『地位承継のお知らせ』です。
協会の売買契約書では所有者の変更については売主が通知をするとしています。以前、『不動産売買契約における賃貸人の地位承継に係る覚書』について説明しましたが、この書類は売主と買主の間で取り交わす書面であり、この時点では賃借人は物件が売買されたことを知りません。そのため賃借人に所有者が変わったことを知ってもらう必要があります。この通知をするための書類が『地位承継のお知らせ』です。

協会は「良い取引をして投資家の囲い込みをする」、「何度も取引のできる顧客にする」を目的として書類を作成しています。『地位承継のお知らせ』はその代表的な書類の一つでもあります。ぜひ活用してください。

次回は、『地位承継のお知らせ』の役割、効果、ポイントなどについて説明します。



※記事の中でメールマガジンという表記が出てきますが、このページは、会員向けに定期的に発信されているメールマガジンを集約したページとなっております。