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2024年05月21日

【不動産投資の法律知識】 建設会社が破産した場合の破産手続の基本的な流れ いつから工事再開できる?土地は売却できる?

令和6年3月、4月と立て続けに、土地から1棟RCの新築スキームをメインに行っていた建築会社が複数破産(事業停止)したことに加え、リフォーム会社などでもちらほら破産が続いたということで、今回も破産手続の基本的な流れをお話ししたいと思います。

よくあるご質問としては、「いつから工事再開をしていいの?」、「基礎工事のみだけど、このまま売却してしまっていいの?」、「敷地内にある足場や建材は、そのまま使っていいの?」など、があります。

建築会社やリフォーム会社が破産してしまうと、その工事現場や土地を今後どのように処理してよいか、権利関係が複雑になってしまいます。そもそも破産してしまった会社の権利関係は誰と調整すればいいのか、曖昧になってしまうため、今回は、破産手続の基本からお話ししたいと思います。

破産する場合には、破産する会社の代理人として、2つの立場の弁護士が関与することになります。負債が積み重なりこのまま事業継続できない状況になり破産しかないとなると、会社は弁護士に依頼して、「破産申立手続」を行うことになります。

この破産申立手続を行う弁護士が最初に関与する立場の弁護士です。この弁護士の業務内容としては、会社の負債状況や経営状況を整理して、裁判所に対して、「事業継続困難だから、破産させてくださいね。」という申立手続を行います。

その後、裁判所にて、確かにこれは破産せざるを得ないなと判断がなされると、「破産決定」という決定が下されて、正式に破産手続に入っていきます。破産手続とは、ざっくりというと、破産した会社に残った権利関係を清算し、残った財産を、債権者に分配していく手続となります。

この破産した会社の権利関係の整理や財産の分配手続を行うのが、「破産管財人弁護士」と呼ばれる立場の弁護士になります。

このように、①破産申立手続を行う弁護士と、②破産手続を行う破産管財人弁護士の2つの立場の弁護士が破産手続に関与していくことになるのです。

①破産申立手続を行う弁護士は、破産する会社の代表取締役が任意の弁護士を選択することができます。他方、②破産手続を行う破産管財人弁護士は、破産会社の権利関係や残余財産を分配する立場とは言え、公正な分配を行うことが期待されるため、裁判所から直接選任される公正中立な第三者的立場で関与していくことになります。

さて、冒頭の「いつから工事再開していいの?」、「基礎工事のみだけど、このまま売却してしまっていいの?」、「敷地内にある足場や建材は、そのまま使っていいの?」というよくあるご質問ですが、基本的には、破産決定がなされた後、破産管財人の承諾を得た上で、進めるのが一番安定する形になります。

破産会社の権利関係を最終的に確定していくのは破産管財人という立場になるからです。ただ、破産申立手続は、業務内容も複雑多岐にわたり、裁判所での破産決定の審査、破産管財人の選定まであわせると数か月程度のラグが生じることも多々あります。

ただ、工事が途中でストップしてしまうと、例えば、内装関係のリフォームの場合だと住めない状況が数か月単位で続いてしまいますし、建物も屋根ができていない状況でストップすると建物が傷んでしまうという問題も生じかねません。

そのため、待てる状況なのであれば、建物が傷まないように保全措置を行って管財人の同意を得るのがベターではありますが、そうもいっていられない場合には、以下のように、施主から契約解除等の手続をとっていく必要があります。

一般的に、建設ないしリフォーム工事を依頼したものの、相手会社が破産してしまうと、契約どおりの工事が完了しないので、債務不履行となり、解除できることになります。

ただ、法律的に「解除する」というのは、専門用語で意思表示というのですが、「解除します!」と外部に意思表明する必要があります。

そのため、施主の側から破産予定の会社に対して、証拠が残るように内容証明郵便にて解除通知を行っておくのが無難です。施主ご自身で、書面の通知を出すというのでもダメではないのですが、少々費用が発生しますが、極力、弁護士のアドバイスを受けた上で、内容証明郵便の発送手続をとってもらうのが良いと思います。

工事再開については、極力、管財人の承諾を得てからの方がよいが、待てないような事情があれば、施主から弁護士に依頼の上、内容証明郵便を通知した後がよいと覚えておくのがよいでしょう。

「敷地内にある足場や建材は、そのまま使っていいの?」というのは、また微妙な問題になってきてしまいます。

前回の記事で、「未完成建物」自体は施主の所有権と認められる可能性が高いというお話しをしましたが、一方で、足場や型枠など破産した会社に所有権があるものは、返却するのが原則となります。

また、建材についても微妙で、代金の支払い状況や契約内容によっては敷地内に運び込まれた建材は施主のものと認定できるケースもあれば、疑義が生じるケースもあり得るので、極力、使わないほうがよいと思います。

最後に売却については、よっぽどのっぴきならない事情がなければ、一般的に数か月のラグ程度は待てるような状況が多いかと思いますので、金融機関担当者とよく話し合い、管財人弁護士の承諾を得てから売却へと移行するほうが良いかと思います。

引用:健美家2024/05/19 配信より(https://www.kenbiya.com/ar/ns/jiji/legal_knowledge/7889.html)