【トレンド企画・後編】物確システム・スマートキーボックスの活用で効率化できる業務って?|全国賃貸住宅新聞|業界ニュース|一般社団法人 投資不動産流通協会

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2021年01月27日

【トレンド企画・後編】物確システム・スマートキーボックスの活用で効率化できる業務って?

業務効率化や新型コロナウイルスの感染対策として、新しいスタイルの賃貸仲介事業に挑戦する不動産会社が増えている。後半では、感染対策のため、スマート物件確認サービス・スマートキーボックス活用の事例を紹介する。


<物確システム等>

空室状況の確認と内見受付を自動化


 千葉県浦安市や市川市を中心に賃貸管理・仲介業を行うユナイテッドスタジオ(千葉市)は4月から、内見業務の効率化のためライナフ(東京都千代田区)の『スマート物確』と『スマート内覧』とスマートキーボックスを活用している。導入のきっかけは、新潟県の賃貸物件を管理受託したこと。共用部の清掃業務などは現地の協力事業者に任せているが、鍵の管理は物件にスマートキーボックスを設置し自社で行っている。

 現地訪問の際、近隣の仲介会社にリーシング営業と併せてスマートキーボックスの使用方法を説明した。当初、スマートキーボックスは仲介業者に受け入れられづらかったが、次第に仲介会社から入居問い合わせや内見が増えたという。


 『スマート物確』は電話やLINEで空室状況が確認できる。空室確認後、『スマート内覧』でパソコンやスマートフォンから内見予約ができき、不動産管理会社の受電対応業務が削減できるサービスだ。ユナイテッドスタジオでも、物件確認などの受電業務が2割ほど減った。『スマート内覧』で内見予約をすると、スマートキーボックスを解錠するためのワンタイムパスワードが登録したメールアドレスに送られる。解錠できる時間が限られ、予約ごとにパスワードが変わるためセキュリティが高まる。


 仲介会社だけでなく、入居希望者による単独内見の問い合わせもあったという。現在は新潟県だけでなく、東京都内や千葉エリアなど同社から遠方の管理物件7カ所でスマートキーボックスを設置し、内見の業務効率化を図っている。


イタンジ、入居者対応を完全自動化


正確な情報を即回答

 イタンジ(東京都港区)では、展開する入居者向け部屋探しサイト『オヘヤゴー』と不動産業務支援システム『ノマドクラウド』『イタンジBB』を年内にも連携し、入居者の部屋探し対応を完全自動化することを目指す。

 物件の空室状況や内見予約状況が登録されている『イタンジBB』のデータベースを参照し、入居者の問い合わせに対してスピーディーに対応する仕組みだ。『ノマドクラウド』に不動産スタッフのスケジュールを入れておくことで、内見同行日を確定したうえで入居希望者に連絡することも可能になる。


 『ノマドクラウド』のユーザーは累計280万人で、月間10万人の新規登録がある。入居希望者に正しい物件情報を届け、好きな時間に内見予約が取れるようにすることでスムーズな部屋探し体験を提供する。不動産会社には顧客対応を効率化し、対応スピードを早めることで来店率や成約率を高め、空室発生から成約までのリードタイム短縮を支援していく狙いだ。


<スマートキーボックス>

エントランスのロックを解錠


 北海道の地場大手管理会社である常口アトム(北海道札幌市)は、2019年12月から、スマサポ(東京都中央区)の『スマサポ内覧サービス』を活用している。

 『スマサポ内覧サービス』はスマートフォンにダウンロードしたアプリケーションを使って、ドアに取り付けたキーボックス『スマサポキーボックス(以下、SKB)』を解錠し、鍵を取り出せる仕組み。SKBの中に入っている鍵はチェーンにつながっていて無断で持ち出したり、返却忘れを防ぐことができる。『スマサポ内覧サービス』はIHI運搬機械(東京都中央区)と共同開発した。エントランスのオートロックを解錠する『スマサポキーエントランス(以下、SKE)』もある。

 繁忙期の北海道は、積雪によって車移動の時間が普段の2倍程度かかるため、鍵の受け渡しが不要になれば大幅な業務効率化につながる。


 約5万7000戸管理の常口アトムは現在、『SKE』を154台、『SKB』を150台導入している。札幌市内の管理物件から進め、函館ではエントランスオートロックのマンションにも『SKE』の設置をした。これまでは仲介店舗で鍵を受け渡すケースもあったが8割はドアジョイナーを利用。ただドアジョイナーを取り付けていてもエントラスのオートロックを解錠する鍵を受け渡す必要があった。そのため、『SKE』の導入を優先的に進めている。


 函館管理センターの田村真吾センター長は「函館では管理センターで一元管理していた鍵を取りに来てもらう必要があったが、『SKE』の設置により受け渡しの手間がなくなった。移動時間がかなり短縮化され業務効率化につながっている」と語る。函館では、『SKE』を27棟に設置。函館の管理物件でエントランスオートロックがあるマンションの約8割になる。


NTTメディアサプライ、アプリで電子錠操作


入居者満足度と業務効率化に寄与

 NTTメディアサプライ(大阪市)は、賃貸住宅に欠かせないインターネット環境と、業務効率につながる管理会社向け入居者コミュニケーションツール『Do Home Connect(ドゥホームコネクト)』、物件の競争力を高めるIoT設備を三セットで提案している。

『Do Home Connect』は、入居者がIoT機器を操作する機能や、管理会社がIoT機器を利用制御する機能を設けている。室内に備え付きのIoT機器は管理会社が、入居者が入れ替わるごとに設定を初期化し、退去者が操作できないようにする必要がある。空室期間は、管理会社が賃貸住宅に設置したスマートロックを運用。ハウスクリーニング事業者や仲介会社に鍵を渡す手間を省くことが可能になる。ブレーカーが落ちている間も、スマートロックを利用できる点が特徴だ。


同社は『Do Home Connect』と一緒にZ‐wave(ジーウェイブ)と呼ばれる通信規格のホームハブとスマートロック、ドアや窓の開閉を感知し通知する開閉センサー、入居者が持ち込んだ赤外線対応家電をIoT化するためのスマートリモコンなどの一括導入を推奨している。


全国賃貸住宅新聞 掲載URL

https://www.zenchin.com/news/post-5653.php

情報提供:株式会社 全国賃貸住宅新聞社
『週刊全国賃貸住宅新聞 11月16日16面・17面より』