国土交通省が、「不動産売買での重要事項説明、非対面でも認める方針」を示したことに続き、10月22日に、賃貸借契約の契約書などの書面のデジタル化も進める考えを明らかにした。現在では、契約時に書面を交わすことが義務付けられている。どう変わって行くのだろうか。
コロナの影響もあり、不動産取り引きのオンライン化が急速に進もうとしている。NHKニュースによると、赤羽国土交通大臣は10月22日に河野規制改革担当大臣、平井デジタル改革担当大臣と会談し、不動産取り引きのオンライン化などをめぐり意見を交わした。赤羽国土交通大臣は「不動産取り引きは、契約時に書面を使うことが法律に書かれているが、デジタル化できないか議論した。法改正は必要になるが、進めていこうという話しになった」と述べた。
つい先日、不動産売買での重要事項説明を非対面でも認める方針が示されたばかりであるが、この時にはまだ書面のオンライン化には言及されていなかった。しかし、重要事項説明をオンラインで行う上で、契約書類に署名・捺印をして、郵送でやり取りしていては、それなりの時間を要してしまう。そのため、書類のデジタル化を求める声は業界内で上がっていた。
健美家編集部では、この件について、不動産リーシング業務のワンストップサービス「ITANDI BB」をはじめ、手書き書類のデジタル化のためのシステムも手掛けるイタンジ株式会社に話を聞いた。代表取締役の野口真平氏は次のように語る。
「弊社では賃貸借契約の電子化への対応を見据え、昨年7月に『電子契約くん』というサービス提供を開始し、この法改正を待ち望んでいました。多くの不動産事業者様から、賃貸借契約の完全電子化を待ち望む声を聞いています。賃貸借契約の完全デジタル化にとって一番ネックとなっていた法改正が行われ、賃貸不動産業界にとって抜本的なDXとなることを期待します」
すでに年間20万件を超える電子申し込みコロナの影響で紙よりWEBを望む人が5%増
『電子契約くん』をはじめとしたITANDI BBでは、物件検索から内見、入居申込、契約、更新、退去手続きまでを一括してサポートする。なお、不動産業者間のWEB物件検索機能への物件掲載は無料である。
「申込受付くん」による賃貸入居の電子申込数は、2019年9月~2020年9月の1年間で20万件を超えている。このシステムでは、入居希望者がWEB上で入力した申し込みに必要な情報や申し込み手続きの進捗を、賃貸管理会社、賃貸仲介会社、家賃債務保証会社、保険会社に連携できる。そうすることで、申込書提出から審査までのやりとりを効率化し、時間を短縮する。入居希望者にとっては、複数の書類に共通する情報を何度も記入する手間が省けるのがメリットだ。
同社では、2020年9月1日~9月30日の期間で、「申込受付くん」を利用して賃貸物件へ入居申し込みを行った利用者2,411名に対し、「賃貸入居申し込みを行う際に、紙での申し込みとWEBでの申し込みのどちらを希望するか」というアンケートを実施。80%以上が「紙よりWEBでの申し込みを希望する」と回答している。
コロナの影響が広がる前の2020年2月21日~ 3月30日に実施した同内容のアンケートでは、「紙よりWEBでの申し込みを希望する」をする人は約75%だった。この半年間で、紙よりWEBを望む声が5%増加したことになる。コロナ禍で、テレワークや非対面のニーズが高まっているようだ。
AIで手書き書類のデータ化が可能に。時間外労働を2割削減できたケースも同社では、手書き書類等のデータ化システム「RPAくん」及び「OCRくん with AI inside」 の提供も始めている。「RPAくん」では、「申込受付くん」に入力された入居申込情報を、賃貸管理会社の基幹システムに自動連携する。試験運用を行った不動産会社では、時間外労働の2割の削減を実現した。「OCRくん」は、96%以上の読取精度を持つAIで、不動産関連の手書き書類等の情報をデータ化する。
賃貸業界では、原状回復等の見積書・請求書、免許証などの身分証明書、来店時アンケート、リフォーム事業者からの報告書等、紙面上の情報をデジタルデータに起こさなければならないシーンが未だ数多くある。
同社では、こうした書類のデジタル化を助けるシステムをすでに整えている。この先、法改正が進み、ガイドラインが定まることで、さらに利用が広がる可能性がある。それによって、不動産業務の効率化が進むならば、業界関係者にとっても幸いなことである。
なにより入居希望者が賃貸借契約にかかる書面のデジタル化を望んでいる今、法改正が待たれている。
健美家より https://www.kenbiya.com/ar/ns/policy/houkaisei/4237.html
国土交通省が、「不動産売買での重要事項説明、非対面でも認める方針」を示したことに続き、10月22日に、賃貸借契約の契約書などの書面のデジタル化も進める考えを明らかにした。現在では、契約時に書面を交わすことが義務付けられている。どう変わって行くのだろうか。
コロナの影響もあり、不動産取り引きのオンライン化が急速に進もうとしている。NHKニュースによると、赤羽国土交通大臣は10月22日に河野規制改革担当大臣、平井デジタル改革担当大臣と会談し、不動産取り引きのオンライン化などをめぐり意見を交わした。赤羽国土交通大臣は「不動産取り引きは、契約時に書面を使うことが法律に書かれているが、デジタル化できないか議論した。法改正は必要になるが、進めていこうという話しになった」と述べた。
つい先日、不動産売買での重要事項説明を非対面でも認める方針が示されたばかりであるが、この時にはまだ書面のオンライン化には言及されていなかった。しかし、重要事項説明をオンラインで行う上で、契約書類に署名・捺印をして、郵送でやり取りしていては、それなりの時間を要してしまう。そのため、書類のデジタル化を求める声は業界内で上がっていた。
健美家編集部では、この件について、不動産リーシング業務のワンストップサービス「ITANDI BB」をはじめ、手書き書類のデジタル化のためのシステムも手掛けるイタンジ株式会社に話を聞いた。代表取締役の野口真平氏は次のように語る。
「弊社では賃貸借契約の電子化への対応を見据え、昨年7月に『電子契約くん』というサービス提供を開始し、この法改正を待ち望んでいました。多くの不動産事業者様から、賃貸借契約の完全電子化を待ち望む声を聞いています。賃貸借契約の完全デジタル化にとって一番ネックとなっていた法改正が行われ、賃貸不動産業界にとって抜本的なDXとなることを期待します」
すでに年間20万件を超える電子申し込み
コロナの影響で紙よりWEBを望む人が5%増
『電子契約くん』をはじめとしたITANDI BBでは、物件検索から内見、入居申込、契約、更新、退去手続きまでを一括してサポートする。なお、不動産業者間のWEB物件検索機能への物件掲載は無料である。
「申込受付くん」による賃貸入居の電子申込数は、2019年9月~2020年9月の1年間で20万件を超えている。このシステムでは、入居希望者がWEB上で入力した申し込みに必要な情報や申し込み手続きの進捗を、賃貸管理会社、賃貸仲介会社、家賃債務保証会社、保険会社に連携できる。そうすることで、申込書提出から審査までのやりとりを効率化し、時間を短縮する。入居希望者にとっては、複数の書類に共通する情報を何度も記入する手間が省けるのがメリットだ。
同社では、2020年9月1日~9月30日の期間で、「申込受付くん」を利用して賃貸物件へ入居申し込みを行った利用者2,411名に対し、「賃貸入居申し込みを行う際に、紙での申し込みとWEBでの申し込みのどちらを希望するか」というアンケートを実施。80%以上が「紙よりWEBでの申し込みを希望する」と回答している。
コロナの影響が広がる前の2020年2月21日~ 3月30日に実施した同内容のアンケートでは、「紙よりWEBでの申し込みを希望する」をする人は約75%だった。この半年間で、紙よりWEBを望む声が5%増加したことになる。コロナ禍で、テレワークや非対面のニーズが高まっているようだ。
AIで手書き書類のデータ化が可能に。
時間外労働を2割削減できたケースも
同社では、手書き書類等のデータ化システム「RPAくん」及び「OCRくん with AI inside」 の提供も始めている。「RPAくん」では、「申込受付くん」に入力された入居申込情報を、賃貸管理会社の基幹システムに自動連携する。試験運用を行った不動産会社では、時間外労働の2割の削減を実現した。「OCRくん」は、96%以上の読取精度を持つAIで、不動産関連の手書き書類等の情報をデータ化する。
賃貸業界では、原状回復等の見積書・請求書、免許証などの身分証明書、来店時アンケート、リフォーム事業者からの報告書等、紙面上の情報をデジタルデータに起こさなければならないシーンが未だ数多くある。
同社では、こうした書類のデジタル化を助けるシステムをすでに整えている。この先、法改正が進み、ガイドラインが定まることで、さらに利用が広がる可能性がある。それによって、不動産業務の効率化が進むならば、業界関係者にとっても幸いなことである。
なにより入居希望者が賃貸借契約にかかる書面のデジタル化を望んでいる今、法改正が待たれている。
健美家より https://www.kenbiya.com/ar/ns/policy/houkaisei/4237.html