「サブスク住宅」は「一般賃貸」を超えるか。人口減少で、サブスクターゲット"渡り鳥市場"は限定的|健美家|業界ニュース|一般社団法人 投資不動産流通協会

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2020年12月16日

「サブスク住宅」は「一般賃貸」を超えるか。人口減少で、サブスクターゲット"渡り鳥市場"は限定的

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所有から利用の時代に。いまシェアリングエコノミーが生活のあらゆるところに浸透している。

バブル経済の崩壊により失われた四半世紀とも言われる経済停滞の中で資産デフレが進んだ。それに伴いそれまでのモノを保有する、持つということに価値を見いだしていた時代とは違う価値観が生まれ、それが当たり前のようになっている。

自動車は購入するものではなく、レンタカーやカーシェアリングを使い買い物や旅行など必要な時に利用する。大学生などは、友人と部屋をシェアして住んだり、年齢も職業も異なる複数の人がキッチンやトイレなどを共有して居住するシェアハウスも普及してきた。


これに加えて、現在サブスクリプション(サブスク)という形態が注目を浴びている。サブスクとは、定額料金を支払うことで一定の期間利用できるサービスのことを指しているが、これが賃貸住宅の領域でも出始めている。

一般的な賃貸住宅では、オーナーと賃貸借契約を結び、礼金・敷金、毎月の家賃を支払うものだが、サブスク住宅にはそうした初期費用がかからず、しかも家具や家電が備え付けられていて身一つで引っ越ししてすぐに生活が始められる手軽さが特徴だ。

最近は、一般の賃貸住宅でも家具・家電付が増えているが、マンスリーマンションのようなサブスクの契約形態の手軽さが若者を引きつける。


◎移動の自由度が高くコスト意識強い若者向け


サブスク住宅では、家具・家電付、Wi-Fi環境が整備されていることに加えて、電気や水道いった光熱費も含めての料金プランを打ち出しているところや、格安を売りに民泊のようなドミトリー的なスタイルで運用するところもある。

一定の料金を支払うことで国内外の住宅に自由に住むことができるサービスや空き家を活用しての二地域居住や多地域居住で空き家の問題解決の一つとして注目もされている。

新型コロナウイルス感染拡大により、賃貸住宅市場も変わりつつあるが、そうした中で"渡り鳥"的な人、必ずしも会社に行かなくてもパソコン一つで仕事ができる人など移動の自由度が高い人に受け入れられやすい業態となっている。

一般の賃貸住宅のように面倒な手続きが少なくなり、使いたいときに使いその分の料金を支払う。このような仕組みは、コスト意識の高い現代若者にとっては魅力的に映ると推察できる。


◎新たなマーケットの登場は賃貸市場を活性化


そうした中、サブスク住宅が一般の賃貸住宅のオーナーにとって競合相手となるのか、人口減少で需要者の絶対数が減っていく中でパイの奪い合いになるのではないか。そのような懸念を持つオーナーも少なくない。だが結論から言うと、一般賃貸住宅とサブスク住宅は別物でマーケットは住み分けられていて賃貸オーナーにとって影響はないと見られている。


日本大学理工学研究所客員研究員で賃貸住宅の空室対策などをサポートするリーシングジャパン(東京都渋谷区)の沖野元社長は、「(空室に悩むオーナーにとっては)サブスクも一つの手段ではあるが、一般の賃貸住宅としてやっていけるのならばそちらの方が収益的にも安定している。

そもそも、両者は別々の市場と思っていい。これから18歳人口が減少の一途をたどる中で、渡り時的な層に照準を当てたサブスク住宅の市場規模が爆発的に増えるかは疑問の余地があるところではある」と説明する。


前述のようにサブスク利用としては、若くて独身の渡り鳥的な人がメインである。拠点を必要とする家庭持ちや会社員にとっては向かない住まい形態で、つまり、サブスク住宅とはニッチ市場であると言えそうだ。

「ただ、サブスクというニッチ市場が賃貸住宅市場に出てきたことは歓迎すべきこと。人口が減り続ける中で住まいの多様化が進まないと家余りとなり、空き家が増えるだけになってしまう」(沖野氏)。

コロナ禍により前倒しで進展した働き方改革など新たな生活様式、新たなライフスタイルにより賃貸住宅の在り方も日々進化していきそうだ。


健美家より https://www.kenbiya.com/ar/ns/for_rent/tenant/4257.html