不動産市場における地方での課題、「空き家が多い」が最多に!~都市集中/地方活性化に関するアンケート調査|健美家|業界ニュース|一般社団法人 投資不動産流通協会

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2025年05月14日

不動産市場における地方での課題、「空き家が多い」が最多に!~都市集中/地方活性化に関するアンケート調査

不動産業界特化のDX支援サービスを展開する、株式会社いえらぶGROUPは、不動産会社・エンドユーザーに対して「都市集中/地方活性化に関するアンケート調査」を実施。有効回答1,406件の調査結果を発表した。

■調査の背景

近年、都市部に人口が集まる一方で、地方の人口減少が深刻な問題となっている。

このような状況の中で、今後のまちづくりや住まいのあり方について、不動産業界としても変化への対応が求められている。

今回、都市集中と地方活性化に対する考え方や現状を把握するため、不動産会社とエンドユーザーを対象に「都市集中/地方活性化に関するアンケート調査」を行った。


■調査結果

1.地方の魅力第1位は「自然環境の豊かさ」(55.2%)、都市部への魅力は「交通の利便性」(69.6%)が上位に

エンドユーザーに「地方への移住を検討したことはありますか?」と質問したところ、「ある」と回答したエンドユーザーは16.6%、「ない」は46.8%、「すでに地方に居住している」が36.6%という結果になった。
また、「都市部への移住を検討したことがありますか?」という質問では、「ある」という回答が22.9%、「ない」が48.0%、「すでに都市部に居住している」が29.1%という結果となった。

都市部への人口流入が進む中でも、都市への移住を検討した人の割合は、地方移住を検討した人と大きな差は見られなかった。

「地方での生活において、特に魅力を感じる点は何ですか?」という質問では、「自然の豊かさ」(55.2%)、「住居費・生活費の安さ」(51.2%)が上位となり、さらに「地元食材への魅力」(28.2%)など、地方ならではの価値に魅力を感じていることが分かる。

一方、「都市部での生活において、特に魅力を感じる点は何ですか?」という質問では、「交通の利便性」(69.6%)が最多で、次いで「商業施設や飲食店の多さ」(59.6%)が挙げられ、地方・都市それぞれに異なる魅力があることが改めて明らかになった。

2.不動産市場における地方での課題、最多回答は「空き家が多い」(43.9%)

不動産会社に「地方での物件の取扱い経験はありますか?」と質問したところ、59.3%の不動産会社が「直近10年以内にある」と回答した。

また、地方での不動産市場における課題については、「空き家が多い」(43.9%)が最も多く、次いで「賃貸需要や売買ニーズが少ない」(32.7%)、「管理や現地対応に手間がかかる」(29.4%)といった結果となった。

いえらぶが実施した別の空き家に関するアンケート(※1)でも、空き家物件を取り扱ったことがある不動産会社は57.5%、エンドユーザーへの「空き家問題について、関心がありますか?」という質問では、「関心がある」が48.2%と、いずれも高い数値となっている。

これらの結果から、空き家の増加や地方不動産の管理負担といった課題は、不動産会社・エンドユーザーの双方にとって身近な問題となっており、全国的に対策が求められている現状が浮き彫りになった。

3.地方移住の促進、「医療や教育機関の整備」を求める声が最多(50.8%)

不動産会社に、「都市部での人口集中により、不動産市場にどのような影響を感じていますか?」と質問をしたところ、「地価や賃料の上昇」が64.0%と最も多い結果となった。

「地方での不動産需要を増やすために必要なことは何だと思いますか?」という質問では、「交通インフラの整備」「住居や生活環境の整備」が47.7%で最も多く、次いで「移住支援制度の拡充」(42.5%)、「テレワークやリモートワーク」(41.1%)という結果となった。

一方、エンドユーザーに「地方移住を促進するために必要だと思うことは何ですか?」と質問したところ、「医療や教育機関の整備」(50.8%)、「多様な仕事の選択肢」(50.4%)、「移住支援や補助金制度の拡充」(45.9%)が上位にランクインした。

不動産会社とエンドユーザーの双方が、生活インフラや働き方、支援制度の充実を重視していることがわかる。
エンドユーザーが地方に感じる魅力やニーズを捉えたうえで、移住を後押しする取り組みを進めることで、地方の活性化にもつながる可能性がある。

■いえらぶGROUP 常務取締役 庭山健一氏 コメント

「都市部への人口集中が続く中、地価や賃料の上昇が不動産市場全体に影響を与えています。一方で、地方に目を向けると、空き家の増加や需要不足といった課題が依然として残されているのが現状です。

地方移住や地域活性化を推進するためには、生活インフラや医療・教育環境の整備、そして移住支援制度のさらなる拡充が重要となります。不動産会社だけでなく、行政や地域住民と連携しながら、多様な選択肢を提供していくことが求められます。

いえらぶGROUPでは、こうした社会の変化や業界ニーズを的確に捉え、全国の不動産会社がスムーズに対応できるよう、システム面からの支援や調査活動を継続してまいります。」

■調査概要
調査期間:2025年4月14日~2025年4月25日
調査機関:株式会社いえらぶGROUP
調査対象:【エンドユーザー】「いえらぶコラム」読者や当社SNSフォロワーなど、【不動産会社】「いえらぶCLOUD」を利用している不動産会社の従業員など
有効回答:【不動産会社】214件、【エンドユーザー】1,192件
調査手法:インターネットアンケート調査

健美家2025/05/14配信:https://www.kenbiya.com/ar/ns/research/r_other/9010.htmlより