西武信用金庫に対する行政処分について|金融庁|業界ニュース|一般社団法人 投資不動産流通協会

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2019年05月27日

西武信用金庫に対する行政処分について

関東財務局より、西武信用金庫に対する行政処分が発表されました。処分内容について全文を下記に記載いたしました。

以下西武信用金庫に対する処分内容全文
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令和元年5月24日
関東財務局


 関東財務局は、本日、西武信用金庫(以下「金庫」という。法人番号2011205000146)に対し、下記のとおり行政処
分を行いました。

                          記


第1.命令の内容

信用金庫法第89条第1項において準用する銀行法第26条第1項に基づく命令

(1)健全かつ適切な業務運営を確保するため、以下を実行すること。
 ⅰ本処分を踏まえた責任の所在の明確化と内部統制の強化
 ⅱ融資審査管理を含む信用リスク管理態勢の強化
 ⅲ反社会的勢力等の排除に向けた管理態勢の抜本的な見直し

(2)上記(1)に係る業務の改善計画を令和元年6月28日までに提出し、直ちに実行すること。

(3)上記(2)の改善計画について、当該計画の実施完了までの間、3か月毎の進捗及び改善状況を翌月15日まで
   に報告すること(初回報告基準日を令和元年9月末とする)。


第2.処分の理由

 当局による立入検査の結果や信用金庫法第89条第1項において準用する銀行法第24条第1項に基づき求めた報告を
検証(注)したところ、金庫は業績優先の営業を推進するあまり、内部管理態勢の整備を怠った結果、以下のような
問題が認められた。


 (注) 「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」(平成30年2月6日金融庁発表)
    への適合状況を含む。


(1)投資用不動産向けの融資にあたり、形式的な審査にとどまり、不適切な信用リスク管理態勢となっている。

 ⅰ融資実行を優先するあまり、融資審査にあたり、投資目的の賃貸用不動産向け融資案件を持ち込む業者による融
  資関係資料の偽装・改ざんを金庫職員が看過している事例が多数認められる。

 ⅱ投資目的の賃貸用不動産向け融資について、融資期間に法定耐用年数を超える経済的耐用年数を適用する場合に
  は適切な見積りが不可欠である中、経済的耐用年数等を証する書面を作成する外部専門家に対し、金庫職員が耐
  用年数や修繕費用等を指示・示唆するなどの不適切な行為が多数認められる。


(2)反社会的勢力等との取引排除に向けた管理態勢が不十分である。

 ⅰ反社会的勢力等との取引排除に向けた管理態勢については、十分な経営資源を配分することなく極めて少人数の
  担当者に頼った取組となっているなど、組織的な対応が不十分となっている。特に、反社会的勢力等に関する金
  庫としての管理区分が限定的に運用されているなど、その管理手法は不十分なものとなっている。

 ⅱこのため、一部の営業店幹部は、監事から反社会的勢力等との関係が疑われるとの情報提供を受けていた者につ
  いて、十分な確認を怠り、同者関連の融資を実行している。


(3)内部統制が機能していない。

  強い発言力を有する理事長に対して十分な牽制機能が発揮されておらず、上記(2)ⅱに関し、懸念を抱いた監
 事及び監事会から理事長に対し、複数回にわたって書面で調査を要請したにもかかわらず、理事長は当該要請を拒
 否し、組織的な検証を怠っているなど、内部統制が機能していない。