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2023年04月26日

公示地価発表、確認しておきたい影響と対策

国土交通省が3月22日に公示地価(2023年1月1日時点)を発表しました。公示地価は不動産取引に影響を及ぼすため、必ず結果の確認と分析が必要です。
今回は、2023年度の結果について内容や今後の対策についてお伝えします。

2023度の公示地価は、全用途の全国平均が前年比1.6%上昇し2年連続で上昇、住宅地(前年比1.4%)、商業地(前年比1.8%)も上昇となりました。
全国の最高価格は17年連続で東京都中央区銀座4の「山野楽器銀座本店」(商業地)。1平方メートル当たりの価格は5380万円、住宅地は東京都港区赤坂1の同512万円となりました。

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①公示地価の影響
1)相続税や固定資産税の評価額の変動
公示価格は相続税や固定資産税の評価額にも影響するため、公示地価の変動は賃貸経営の資金計画や相続対策などに影響を及ぼします。賃貸経営は長期に渡るため小さな変動が今後の経営に影響がでる可能性もあります。

また、4月27日から始まる「相続土地国庫帰属制度」にも影響があると思われるため、発表された際には賃貸経営から相続まで多くのことを見据えて分析する必要があります。

2)地域の需要
土地の値段が上下するということは、その土地の「需要」が上がった(下がった)ということです。
例えば、地価上昇が目まぐるしい北海道北広島市のように需要が高まれば観光客や居住希望者が増加するため賃貸希望者も増えやすくなります。

また、人流が増加すれば周辺店舗などの街並みも整備されやすくなるため公示価格の変化は、賃貸希望者の増減を予測するのにも役立てられます。

②今後について
公示地価も含め不動産価格は需給関係により決まると言われています。
需給関係に影響を及ぼす要因の例
・金利や融資環境など金融機関の動向
・税制や政策など行政の動き

すでに賃貸経営をしている場合は、以下の点を考えてみるといいかもしれません。
・所有物件の評価をし直す
・相続税などの税金を計算し直す
・リフォームをする、活用方法を見直す

これらは不動産単体を見るだけでは無くライフプランなど多角的に見る必要があるため、頼れる業者へ相談し、今後の行動を考える必要があります。


③まとめ
2023年の公示地価は新型コロナからの回復により上昇基調でしたが、今後は環境が変化するかもしれません。

このまま、上昇傾向が続く可能性もありますが、金融政策の変更などにより金利上昇の影響も考えられるため、今回の公示地価の結果も併せて、「過去と比べてどう変化したか」を確認し、今後の賃貸経営について考える必要があります。